ステーキ肉をお家で美味しく焼く裏技

安い肉の場合

安い肉は、「パサパサしてジューシーさが無い」「硬くて噛みきれない」というイメージです。しかし、これは肉を焼いた時の失敗例なんです。下処理と加熱の温度に気をつければ、安い肉でも柔らかくジューシーに仕上げることができるんです。

生の肉は柔らかいですが、歯で噛み切るのは難しいです。肉は加熱をするとたんぱく質が固まってきます。たんぱく質が固まってくることで、歯がサクッと入り、噛み切ることができるようになります。加熱を始め、60℃付近までは温度が高くなる程、食べやすい柔らかさに近づいていき、65℃を超えると急激に硬くなってきます。

また、65℃を超えて肉のたんぱく質が急激に縮むと、細胞内から旨味成分が溶け出して肉の中に広がります。しかしここで加熱をし過ぎてしまうと、旨味成分である肉汁が肉の外に漏れ出してしまう事が原因でパサパサした肉になってしまうのです。

肝心な!失敗しないステーキの焼き方、ポイントは5つ

1. 肉を常温に戻す

冷蔵庫から出したての肉は冷たく、加熱に時間がかかります。冷たいままの肉を焼くと、「表面は焼けたけれど中は生焼けだった」「中まで火を通すのに時間がかかってパサパサになってしまった」なんていう失敗のもとに。焼き始める30分〜1時間前に冷蔵庫から出し、常温に戻しましょう。

2. 筋切りをする

肉を加熱すると、肉の繊維質が急激に縮み、形や大きさが変わります。反り返ってしまって上手に焼けなかったり、食べた時に筋を感じたりする原因に。これらを防ぐために、切り目を入れて、繊維質を短くしておくのです。

また、より柔らかさを求めるなら、フォークで全体をぶすぶす刺して繊維質を断つ方法も。包丁で筋の部分に切り目を入れる方法よりも柔らかい食感になりますが、肉汁が出やすくなるためジューシーさは少し落ちる印象なので、お好みの焼き上がりに合わせて使い分けてましょう。

3. 塩こしょうは直前に

塩を振ると肉の内部の水分が表面に引き出されてきます。塩を振ってから焼くまでの時間が長いと、旨味成分とともに肉内部の水分が流出してしまいます。塩は焼く直前に振るんです。

4. 強火で短時間加熱

中心まで加熱し過ぎないためには長い時間の加熱はNG。強火で表面においしそうな焼き色をつけましょう。柔らかく仕上げるためにも、加熱は強火・短時間がとっても大事。

5. 余熱で火を通す

火を止めた後でも、熱を持った肉は加熱が進んでいきます。これを利用して、焼いた後にアルミホイルで包ん少しませます!中心部までじわりと加熱され、絶妙な焼き加減になりますよ。さらに、加熱することで温まり、肉の中を巡っている肉汁を肉の内部に落ちつかせ、溢れ出てしまうのを防ぐことにもつながり色んな働きをします。

分厚いステーキの場合

分厚い肉の場合には火加減をコントロールして焼く事が必要です

最初は肉の表面を焼き固めて旨味を閉じ込めるよう、強火で焼き色がつくまで1分程度焼きますが、そのあとがポイント、弱火にし、じっくりと火を通していきます。その後、肉を横から見て1/3程度まで色が変わったことが裏返す目安です。
裏面も同様にまずは強火で焼き色をつけ、再び弱火にして好みの焼き加減になるまで焼きます。3cmほどの分厚い肉の場合には裏返して弱火にした際に蓋をして蒸し焼きにすると良いです。
焼き方次第で肉の美味しさは大きく変わる!

好みもありますが、ステーキの美味しさは焼き方で大きく変わります!特に安い肉の場合はサシが少なく赤身の割合が多い物をよく見かけますが、焼き方の5つのポイントを押さえて、ジューシーで柔らかいステーキに仕上げましょう。美味しいお肉をたくさん食べましょう!